パソコンの原点、DOSとその軌跡
IT初心者
先生、「DOS」って聞いたことあるんだけど、何のこと?
IT専門家
「DOS」はね、昔のパソコンで使われていたソフトの一種だよ。正式には「MS-DOS」っていうんだけど、聞いたことあるかな?
IT初心者
うーん、ちょっとわからない…
IT専門家
そうか。じゃあ、「MS-DOS」は、パソコンに命令する言葉を入れて動かすソフトだったんだよ。今のパソコンのように、画面上でマウスを使って操作するようなものではなかったんだ。
DOSとは。
「IT用語の『DOS』は、『MS-DOS(エムエスドス)』を短くした言い方なので、『MS-DOS』と同じ意味になります。
DOSとは
– DOSとは
DOSは”Disk Operating System”の略で、コンピューターを動かすための基本的なソフトウェアであるオペレーティングシステム(OS)の一種です。
OSは、人間がコンピューターを操作するための仲介役を担います。例えば、キーボード入力やマウス操作を受け取り、アプリケーションソフトウェアに指示を伝えたり、ファイルの保存や管理、画面表示などを行います。
一般的にDOSというと、1980年代から1990年代にかけて、パソコンの普及とともに広く利用されたMS-DOSを指すことが多いでしょう。MS-DOSは、マイクロソフト社が開発し、IBM PCなどのパソコンに搭載されていました。
MS-DOSは、キーボードからコマンドを入力して操作する、CUI(Character User Interface)と呼ばれる方式を採用していました。これは、現在主流となっている、マウスを使って視覚的に操作するGUI(Graphical User Interface)とは異なり、コマンドを覚える必要がありました。
しかし、MS-DOSは、シンプルな構造で動作が軽く、カスタマイズ性が高いという利点もありました。そのため、当時としては画期的な存在であり、多くのユーザーを獲得しました。
その後、WindowsなどのGUIベースのOSが普及したことで、MS-DOSは徐々に使われなくなっていきました。しかし、現在でも、一部のシステムや組み込み機器などでは利用されています。
項目 | 説明 |
---|---|
DOSの略 | Disk Operating System |
種類 | オペレーティングシステム(OS) |
役割 | コンピューターを動かすための基本的なソフトウェア 人間とコンピューターの仲介役 |
代表例 | MS-DOS |
操作方式 | CUI(Character User Interface) キーボードからコマンドを入力して操作 |
利点 | シンプルな構造で動作が軽い カスタマイズ性が高い |
現状 | WindowsなどのGUIベースのOSが普及したことで、徐々に使われなくなっている 一部のシステムや組み込み機器では利用 |
特徴的なコマンド操作
– 特徴的なコマンド操作
DOSは、キーボードを使って文字を入力し、コンピュータに指示を与えるという、独特な操作方法を採用していました。 現在広く普及しているWindowsやMacといったOSでは、マウスを使って画面上のアイコンをクリックするなど、視覚的な操作が中心となっています。しかしDOSでは、あらゆる操作をコマンドと呼ばれる短い命令文をキーボードから入力することで行います。
例えば、ファイルのコピーをしたい場合は”copy”、ファイルの名前を変更したい場合は”rename”といった具合に、目的の動作を表すコマンドと、その対象となるファイル名などを組み合わせて入力します。
このように、DOSは視覚的な要素を排し、コマンドという形でコンピュータと直接対話することで操作を行う、非常に特徴的なシステムと言えるでしょう。
操作 | コマンド |
---|---|
ファイルのコピー | copy |
ファイル名の変更 | rename |
パソコン普及の立役者
かつて計算機は、専門家しか扱えない高価で複雑な機械でした。プログラムの入力も難解で、一般の人には到底使いこなせるものではありませんでした。そんな中登場したのがDOSです。DOSは、それまでの計算機に比べて格段に使いやすく、一般の人でも比較的簡単に操作できる命令体系を持っていました。
DOSの登場により、計算機は専門家だけのものから、一般の人々にも手が届くものへと変化していきました。人々は、ワープロソフトを使って文書を作成したり、表計算ソフトを使って家計管理をするなど、様々な用途に計算機を活用するようになりました。
DOSは、その後の計算機の普及に大きく貢献しました。その影響は、現在のウィンドウズなどの基本ソフトにも受け継がれています。DOSは、今日の計算機社会の礎を築いた立役者と言えるでしょう。
時代 | 計算機の特徴 | OS | 操作性 | 用途 |
---|---|---|---|---|
DOS登場以前 | 高価、複雑 | – | 専門家向け | 限定的 |
DOS登場後 | 比較的安価、簡易化 | DOS | 一般人でも比較的容易 | 文書作成、家計管理など |
DOSの現在
かつてパソコンの基本ソフトとして広く普及していたディスクオペレーティングシステム(DOS)は、ウィンドウズが登場したことにより、その姿をあまり見かけなくなりました。しかし、DOSは完全に姿を消したわけではありません。 現在でも、銀行のATMや工場の制御システムなど、一部のシステムではDOSが使い続けられています。 これは、DOSが非常に安定したシステムであり、長年使い続けることで信頼性が積み重ねられているためです。
また、DOSはシンプルな構造で軽量なため、古いパソコンでも軽快に動作するという利点があります。そのため、現在でも古いパソコンを使い続けたいユーザーや、限られた資源でパソコンを動かしたい開発者などに利用されています。
さらに、DOSはコマンド操作が基本であるため、コマンドを自由自在に操ることで、ウィンドウズではできないような細かい設定や操作を行うことができます。そのため、コマンド操作に慣れ親しんでいるユーザーにとっては、現在でも根強い人気があります。
このように、DOSはウィンドウズ全盛の現在においても、その特徴を生かして様々な分野で活躍しています。
特徴 | 説明 |
---|---|
安定性と信頼性 | 長年の使用で信頼性が確立されているため、銀行のATMや工場の制御システムなど、安定稼働が求められる場面で使用される。 |
軽量さ | シンプルな構造で軽量なため、古いパソコンでも軽快に動作する。 |
柔軟性 | コマンド操作により、ウィンドウズではできないような細かい設定や操作が可能。 |