通信の要!狭帯域を分かりやすく解説

通信の要!狭帯域を分かりやすく解説

IT初心者

先生、「狭帯域」ってよく聞くんですけど、どういう意味ですか?

IT専門家

「狭帯域」は、情報を送るための道が狭いことを表す言葉だね。 道が狭いので、一度にたくさんの情報は送れないんだ。

IT初心者

なるほど。じゃあ、インターネット回線で「遅い」って言うのと関係ありますか?

IT専門家

その通り!インターネット回線で言うと、「狭帯域」は昔の電話回線を使った接続方法などで、一度に送れる情報量が少なく、速度が遅いと感じる場合が多いね。

狭帯域とは。

「IT用語の『狭帯域』は、狭い範囲の周波数を使うことを指し、言い換えれば『ナローバンド』です。」

狭帯域とは?

狭帯域とは?

– 狭帯域とは?「狭帯域」とは、データ通信において、限られた周波数の範囲だけを使って情報を送受信する方式のことです。 周波数の範囲のことを「帯域幅」と呼びますが、これは道路の幅に例えることができます。 広い道路は一度にたくさんの車が通れますが、狭い道路は一度に通れる車の数が限られてしまいます。データ通信も同じように、広い帯域幅を使う広帯域通信は、一度に大量のデータを送受信できます。 一方で、狭帯域通信は一度に送受信できるデータ量は少ないですが、その分電波が遠くまで届きやすく、障害物の影響を受けにくいというメリットがあります。このため、狭帯域通信は、遠距離や障害物の多い環境での通信に適しています。 例えば、広大な海の上で操業する遠洋漁業の漁船と陸地との通信や、山間部など電波状況が厳しい場所での無線通信に利用されています。 また、近年増加しているIoT機器の中には、消費電力を抑えるために狭帯域通信を利用しているものもあります。このように、狭帯域通信は広帯域通信に比べて、通信速度は遅いものの、特定の用途に適した特性を持っているため、 様々な場面で利用されています。

項目 説明
狭帯域通信 限られた周波数帯域を使う通信方式。一度に送受信できるデータ量は少ないが、電波が遠くまで届きやすく、障害物の影響を受けにくい。
メリット 電波が遠くまで届きやすい、障害物の影響を受けにくい、消費電力が低い
用途 遠距離通信(例:遠洋漁業の漁船と陸地との通信)、障害物の多い環境での通信(例:山間部での無線通信)、IoT機器

狭帯域と広帯域の違い

狭帯域と広帯域の違い

– 狭帯域と広帯域の違い「狭帯域」と対比される言葉に「広帯域」があります。この二つの言葉は、電波や光などの信号が使う周波数の幅を表す言葉で、それぞれ異なる特徴を持っています。広帯域は、読んで字のごとく広い周波数帯域幅を用いる通信方式です。これは、たくさんの道路を持った広い高速道路に例えることができます。たくさんの車が同時に通行できるため、一度に大量のデータを送受信することができます。このため、大容量のデータのやり取りが必要となる高速なインターネット通信や動画ストリーミングなどに適しています。一方、狭帯域は、利用する周波数帯域幅が狭いため、一度に送れるデータ量は少なくなります。これは、車が一台ずつしか通れない細い道に例えることができます。データ伝送速度は遅くなりますが、少ない周波数帯域でも電波を遠くまで届けることができるというメリットがあります。そのため、通信環境が整っていない山間部や海上などでの利用に適しています。このように、狭帯域と広帯域は、それぞれ異なる特性を持つため、用途に応じて使い分けられています。高速なデータ通信が必要な場合は広帯域を、安定した通信が必要な場合は狭帯域を選ぶといったように、状況に応じて最適な方式が選択されています。

項目 狭帯域 広帯域
周波数帯域幅 狭い 広い
データ伝送速度 遅い 速い
データ伝送量 少ない 多い
到達距離 長い 短い
用途例 – 通信環境が整っていない場所での利用
– 安定した通信が必要な場合
– 高速なインターネット通信
– 動画ストリーミング
– 大容量データのやり取り
イメージ 車が一台ずつしか通れない細い道 たくさんの車が同時に通行できる広い高速道路

狭帯域のメリット

狭帯域のメリット

– 狭帯域のメリット狭帯域は、広帯域と比較して多くのメリットを持つ通信方式です。主なメリットとして、電波の到達距離消費電力コストの3つの点が挙げられます。まず、電波の到達距離について説明します。狭帯域は、広帯域よりも低い周波数帯を使用します。低い周波数の電波は、高い周波数の電波に比べて、建物や地形などの障害物の影響を受けにくく、遠くまで到達しやすいという性質があります。そのため、障害物の多い場所や、遠く離れた場所との通信にも適しています。次に、消費電力について説明します。狭帯域は、広帯域のように大量のデータを一度に送受信する必要がないため、消費電力を抑えることができます。このことは、電池で動作する機器にとって大きなメリットとなります。例えば、センサーやウェアラブル端末などの小型機器では、バッテリーの持ち時間が長くなるため、より長く使い続けることが可能となります。最後に、コストについて説明します。狭帯域は、広帯域に比べて、通信に必要な設備や回線がシンプルであるため、導入コストや運用コストを抑えることができます。そのため、コストを抑えたい場合や、広帯域の導入が難しい地域においても、有効な選択肢となります。このように、狭帯域は広帯域と比べて多くの利点があり、様々な用途で活用されています。

メリット 説明
電波の到達距離 低い周波数帯を使用するため、障害物の影響を受けにくく、遠くまで電波が届きやすい。
消費電力 大量データの送受信が不要なため、消費電力が少ない。
コスト 設備や回線がシンプルなので、導入・運用コストが低い。

狭帯域の利用シーン

狭帯域の利用シーン

限られた範囲の周波数帯を使う狭帯域は、様々な場面で活躍しています。その特徴である電波の到達距離の長さと、障害物を迂回する能力の高さから、広範囲に情報を届ける必要がある場合に特に効果を発揮します。

例えば、広大な海上で操業する遠洋漁業では、漁船と陸地を結ぶ通信手段として欠かせません。また、山間部など、携帯電話の電波が届きにくい地域でも、狭帯域を利用することで安定した通信を確保することができます。

さらに、狭帯域は、高い信頼性と安定性が求められる場面でも活躍しています。災害時における緊急通信では、インフラが損傷を受けた状況下でも、確実な情報伝達を可能にします。また、航空管制システムや気象データ収集など、人々の安全や社会インフラを支える重要なシステムにも、狭帯域は欠かせない存在です。

近年では、あらゆるものがインターネットにつながるIoT技術の進展に伴い、様々な機器から少量のデータを送受信するニーズが高まっています。このようなニーズにも、狭帯域は有効な手段として注目されており、センサーデータの収集など、様々な分野でその活用が進んでいます。

特徴 用途例
電波の到達距離が長い 遠洋漁業での漁船と陸地の通信
障害物を迂回する能力が高い 山間部など携帯電話の電波が届きにくい地域での通信
高い信頼性と安定性 災害時の緊急通信、航空管制システム、気象データ収集
少量のデータ送受信に適している IoT機器のセンサーデータ収集

狭帯域の今後の展望

狭帯域の今後の展望

近年、高速・大容量の通信が可能である広帯域通信が主流になりつつあります。しかし、情報量の少ないデータのやり取りには、広帯域通信は必ずしも最適な選択とは言えません。そのような状況下において、限られた周波数帯域で通信を行う狭帯域は、特定の用途に的を絞った通信方式として、今後も重要な役割を担っていくと考えられています。

特に、あらゆるものがインターネットに接続されるIoT(モノのインターネット)分野において、狭帯域は大きな注目を集めています。狭帯域は、広帯域と比較して、低コストで広範囲をカバーできるというメリットがあり、多数のセンサーをネットワークでつなぐセンサーネットワークの構築や、農作物の生育状況などをセンサーで監視するスマート農業など、様々な分野での活用が期待されています。

さらに、近年注目を集めているLPWA(低消費電力・広域通信技術)という技術が登場したことにより、狭帯域通信の可能性はさらに広がっています。LPWAは、少ない電力で長距離の通信を実現できる技術であり、バッテリー駆動のセンサーなどを利用したIoTシステムに最適です。このLPWAと狭帯域通信を組み合わせることで、より低コストで、より広範囲をカバーするIoTシステムを構築することが可能になります。

このように、狭帯域は、IoT分野を中心に、今後も様々な分野で活用されていくことが予想されます。広帯域通信が進化を続ける一方で、狭帯域通信もまた、独自の進化を遂げることで、私たちの社会を支える重要な技術として、その存在感を増していくでしょう。

項目 特徴 用途例
狭帯域通信 限られた周波数帯域で通信を行う
低コストで広範囲をカバーできる
センサーネットワーク
スマート農業
IoTシステム
LPWA
(低消費電力・広域通信技術)
少ない電力で長距離の通信を実現できる バッテリー駆動のセンサーなどを利用したIoTシステム
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