ファイル転送の定番:FTPとは?

ファイル転送の定番:FTPとは?

IT初心者

先生、「ファイル転送プロトコル」ってなんですか?

IT専門家

「ファイル転送プロトコル」、英語で言うとFTPのことだね。簡単に言うと、コンピューター同士でファイルをやり取りするための約束事だよ。

IT初心者

約束事?

IT専門家

そう。例えば、ファイルを送る時、Aさんは「このファイルをください」とお願いして、Bさんは「わかりました」と返事をしてからファイルを送るよね。FTPは、コンピューター同士でこのようなやり取りをするためのルールを決めているんだ。

ファイル転送プロトコルとは。

「ファイル転送プロトコル」という情報技術の言葉は、FTPと省略されます。

ファイル転送プロトコルとは

ファイル転送プロトコルとは

– ファイル転送プロトコルとは

「ファイル転送プロトコル」(FTP)とは、異なるコンピューター同士がネットワークを通じてファイルをやり取りするための共通のルール、つまり通信規格のことです。インターネット上では広く普及しており、ウェブサイトの構築やソフトウェアの配布など、様々な場面で利用されています。

FTPでは、ファイルをやり取りする際に、「クライアント」と「サーバー」という二つの役割を担うコンピューターが通信を行います。クライアントは、ファイルの送信や受信を要求する側のコンピューターです。一方、サーバーは、クライアントからの要求に応じて、ファイルを提供したり、受け取ったりする側のコンピューターです。

FTPを利用することで、例えば、ウェブサイトのファイルを自分のコンピューターからウェブサーバーにアップロードして公開したり、逆に、ウェブサーバーから自分のコンピューターにファイルをダウンロードしたりすることができるようになります。また、ソフトウェアの配布にもFTPはよく利用されており、開発者がサーバーにソフトウェアをアップロードしておき、利用者はサーバーからダウンロードして利用するといったことが行われています。

用語 説明
ファイル転送プロトコル(FTP) 異なるコンピュータ同士がネットワークを通じてファイルをやり取りするための通信規格
クライアント ファイルの送信や受信を要求する側のコンピュータ
サーバー クライアントからの要求に応じて、ファイルを提供したり、受け取ったりする側のコンピュータ

FTPの仕組み

FTPの仕組み

– FTPの仕組み
FTPを用いてファイルを転送する際には、二つの異なる経路が使用されます。

まず、「コントロール接続」と呼ばれる経路を通じて、クライアント側からサーバーに対して接続要求やファイル転送に関する指示が送信されます。これは、いわばファイル転送の司令塔のような役割を果たす経路です。

一方、「データ接続」と呼ばれる経路は、実際にファイルの送受信を行うための経路です。コントロール接続で指示された内容に基づき、この経路を通じてファイルが転送されます。

重要なのは、これらの接続がそれぞれ異なるポート番号を使用している点です。コントロール接続は一般的に21番ポートを使用し、データ接続は20番ポート、もしくはクライアントが指定したポートを使用します。このように異なるポート番号を用いることで、安全性を確保しながら効率的にファイル転送を行うことができるのです。

接続の種類 役割 ポート番号
コントロール接続 接続要求やファイル転送の指示を行う。司令塔の役割。 21番ポート
データ接続 実際にファイルの送受信を行う。 20番ポート もしくは クライアントが指定したポート

FTPの用途

FTPの用途

ファイル転送プロトコル、すなわちFTPは、インターネット上でファイルを転送するために欠かせない仕組みです。その用途は多岐にわたり、私たちのデジタルライフを支えています。

ウェブサイトを構築する際には、FTPは必須の存在と言えるでしょう。ウェブサイトの見た目や内容を決定づけるHTMLファイルや、魅力的な画像ファイルなどを、インターネット上に公開するためのサーバーへアップロードする際に、FTPが活躍します。FTPを用いることで、作成したウェブサイトのデータをサーバーへ送り届け、世界中の人々へ公開することが可能になります。

FTPの活躍の場はウェブサイトの構築だけにとどまりません。企業間での大容量ファイルのやり取りにも、FTPは広く利用されています。例えば、高画質の画像や動画、あるいは膨大な顧客データなどを、安全かつ確実に取引先へ届ける必要がある場合、FTPがその役割を担います。

さらに、ソフトウェア開発の現場でもFTPは重要な役割を担っています。ソフトウェアの設計図ともいえるソースコードを、開発チーム内で共有する際に、FTPが利用されます。FTPを用いることで、スムーズな情報共有を促進し、開発効率の向上に貢献しています。

用途 具体的な例
ウェブサイト構築 HTMLファイルや画像ファイルをサーバーにアップロードする
企業間でのファイル共有 高画質の画像や動画、顧客データなどを取引先とやり取りする
ソフトウェア開発 ソースコードを開発チーム内で共有する

FTPのセキュリティ

FTPのセキュリティ

– FTPの安全性FTPは、コンピュータ間でファイルをやり取りするための便利な手段として、長らく広く利用されてきました。しかし、従来のFTPには、セキュリティ面で重大な欠陥があることが知られています。それは、FTPがユーザーの認証情報や転送するデータを暗号化せずにやり取りしてしまうという点です。FTPでファイルを送受信する際には、ユーザー名とパスワードを入力する必要がありますが、従来のFTPでは、これらの重要な情報が平文のままネットワーク上を流れてしまいます。そのため、悪意のある第三者によって簡単に盗聴されてしまう危険性がありました。もし、ユーザー名とパスワードを盗まれてしまうと、不正アクセスを許してしまい、重要なファイルが盗まれたり、改ざんされたりする可能性があります。こうしたセキュリティ上の問題点を解決するために、近年では、より安全性の高いFTPプロトコルが普及しつつあります。その代表的なものがFTPSとSFTPです。FTPSは、FTP通信全体をSSL/TLSという技術で暗号化することで、セキュリティを強化したプロトコルです。SSL/TLSは、インターネットバンキングなどでも広く利用されている信頼性の高い暗号化技術であり、ユーザー名やパスワード、そして転送するデータ自体を暗号化することで、盗聴や改ざんの脅威から守ります。一方、SFTPは、SSHという暗号化された通信路の中でFTPに似たファイル転送機能を提供するプロトコルです。SSHは、もともと安全なリモートログインを実現するために開発された技術であり、SFTPもその高いセキュリティレベルを引き継いでいます。このように、FTPSやSFTPは、従来のFTPが抱えていたセキュリティ上の欠陥を克服し、より安全なファイル転送を実現する手段として、広く利用されるようになっています。そのため、FTPを利用する際には、可能な限りこれらの安全なプロトコルを選択することが重要です。

プロトコル 説明 安全性
FTP ファイル転送用の古いプロトコル 低い。認証情報やデータが暗号化されずに送信されるため。
FTPS FTP通信全体をSSL/TLSで暗号化 高い。SSL/TLSは信頼性の高い暗号化技術。
SFTP SSHという安全な通信路でFTPに似た機能を提供 高い。SSHの高いセキュリティレベルを継承。

FTPクライアントソフト

FTPクライアントソフト

インターネット上でファイルを送受信する方法の一つに、「ファイル転送プロトコル」、略してFTPと呼ばれるものがあります。FTPを使うためには、FTPに対応したソフト、すなわちFTPクライアントソフトと呼ばれるソフトが必要になります。

FTPクライアントソフトは、パソコンやスマートフォンなど、様々な端末で使用できるように、様々な種類が開発されています。また、無料で使用できるものも多く、気軽に利用できます。

FTPクライアントソフトでは、代表的なものとして「FileZilla」や「Cyberduck」などが挙げられます。これらのソフトは、画面上で視覚的に操作できるため、FTP初心者の方でも比較的簡単にファイルの送受信を行うことができます。

FTPクライアントソフトを使用することで、インターネットを通じて、ファイルをアップロードしてWebサイトを公開したり、大容量のファイルをやり取りしたりすることが可能になります。

項目 説明
ファイル転送方法 FTP (ファイル転送プロトコル)
FTP利用に必要なソフト FTPクライアントソフト (FileZilla, Cyberduckなど)
FTPクライアントソフトの特徴 – 様々な端末で使用可能 (パソコン, スマートフォンなど)
– 無料で使用できるものも多い
– 画面上で視覚的に操作できるものが多い
FTPクライアントソフトの用途 – Webサイトの公開
– 大容量ファイルのやり取り
タイトルとURLをコピーしました