3.9Gとは？LTEとの関係性を解説

3.9Gとは？LTEとの関係性を解説

３.９G：高速通信時代の立役者

「3.9G」という言葉を覚えていますか？少し前まで、携帯電話の広告などで頻繁に見かけたこの言葉。最近は見かける機会も減りましたが、実は今でも私たちのモバイル通信を支える重要な技術の一つです。

3.9Gは、LTEが登場する前の世代の高速モバイル通信規格を指します。当時は、それまでの主流であった3G通信と比べて通信速度が格段に速くなったため、「超高速」「驚異的なスピード」といった言葉で宣伝されていました。3.9Gの登場によって、それまでパソコンで行っていたような動画視聴や音楽ダウンロードなどを、外出先でも手軽に楽しめるようになったのです。これは、まさにモバイル通信における革命的な出来事でした。

しかし、技術の進歩は止まりません。3.9Gの登場から数年後、さらに高速なLTEが登場し、主流はLTEへと移り変わっていきます。現在では、5Gへの移行も進み、3.9Gは主役の座を譲ることになりました。

それでも、3.9Gは私たちのモバイル通信を支える縁の下の力持ちとして、重要な役割を担っています。LTEや5Gのエリア外では、3.9G回線が自動的に接続され、安定した通信を確保してくれるのです。目立つ存在ではなくなりましたが、3.9Gは、今も私たちの快適なモバイルライフを陰ながら支え続けているのです。

LTEとの関係

３.９Gは、LTE（Long Term Evolution）と呼ばれる技術規格が進化する過程で生まれたものです。LTEは、３Gをさらに発展させた技術として開発され、海外では「４G」と呼ばれることもありました。しかし、LTEが初めて登場した当時は、国際的な電気通信のルールを決めている国際電気通信連合（ITU）が定めた４Gの技術基準を満たしていませんでした。そのため、日本では「３.９G」という呼び方が定着しました。その後、LTEは技術基準を満たすようになり、正式に４Gとして認められるようになりました。しかし、「３.９G」という言葉は、LTEの初期の技術を指す言葉として、現在でも使われています。

３.９Gの功績とその後

第三世代携帯電話システムの一つである3.9Gは、それまでの携帯電話の常識を覆す高速データ通信を実現し、私たちの携帯電話の使い方、ひいては生活を一変させました。この技術が登場したことで、スマートフォンが爆発的に普及し始めました。3.9G以前の携帯電話は、主に音声通話やメールの送受信に利用されていましたが、3.9Gによって、動画をスムーズに視聴したり、容量の大きいアプリをストレスなくダウンロードしたりすることが可能になったのです。これは、携帯電話が単なるコミュニケーションツールから、エンターテイメントやビジネスなど、あらゆる用途に使える多機能端末へと進化する大きな転換点となりました。その後も、携帯電話の通信技術は進化を続け、LTE、そして5Gへと移り変わっていきました。5Gは、3.9Gと比較してさらに高速かつ大容量のデータ通信が可能であり、私たちの生活はより便利で豊かなものになっています。しかし、現在の高速モバイル通信時代の基盤を築いたのは、間違いなく3.9Gの功績と言えるでしょう。