システムリソースとは? Windows 95時代の限られた資源
IT初心者
先生、『システムリソース』ってなんですか? アプリケーションソフトを使うのに必要なものらしいんですけど、メモリーを増やしても増えないって、どういうことですか?
IT専門家
良い質問だね! システムリソースは、アプリケーションソフトがパソコンで動くために使う、言わば共用の作業スペースのようなものなんだ。机に例えると、机の上で作業をするのに、作業スペースが必要だよね。システムリソースは、その作業スペースにあたるんだ。
IT初心者
なるほど。じゃあ、メモリーを増やしてもシステムリソースが増えないのは、机の広さは変わらないのに、作業する人が増えるからってことですか?
IT専門家
その通り! 机の広さ=メモリーは増やせても、システムリソース=作業スペースは決まった広さしかないんだ。だから、たくさんのアプリケーションソフトを同時に使うと、システムリソースが足りなくなって、パソコンの動きが遅くなったり、エラーが起きたりするんだね。
system resourceとは。
「システムリソース」は、Windows3.1、95、98、Meといった古いパソコンで使われていた言葉です。パソコンで動くソフトが共通して使うことのできる、決まった大きさの記憶場所のことを指します。この記憶場所は、パソコンにメモリーを付け足しても、大きくなることはありません。
アプリケーションとシステムリソースの関係
昔のパソコンでは、ワープロソフトや表計算ソフトなど、一つのことをするソフトが主流でした。しかし、Windows 3.1やWindows 95が登場すると、複数のソフトを同時に使えるようになりました。これは、まるで机の上で同時に複数の作業ができるようなもので、当時のパソコン利用者にとって画期的な出来事でした。
では、パソコンはどのようにして複数のソフトを同時に動かしているのでしょうか?それは、パソコンの中に「システムリソース」と呼ばれる共有スペースがあるからです。このスペースは、例えるならアプリケーションたちが共同で使う「作業机」のようなものです。
それぞれのアプリケーションは、この机の上で計算したり、データを一時的に置いたりしながら作業を進めていきます。机が広ければ、多くのアプリケーションが快適に作業できますが、机の広さには限りがあります。そのため、起動するアプリケーションが増えすぎると、作業スペースが足りなくなり、動作が重くなったり、最悪の場合はパソコンがフリーズしてしまうこともあります。
時代 | OS | ソフトの特徴 | システムリソース |
---|---|---|---|
昔 | – | 単一機能ソフトが主流 | – |
Windows 3.1/95以降 | Windows 3.1/95 | 複数ソフトの同時利用可能 | 共有スペース
|
システムリソースの制約
昔のパーソナルコンピューターには、いくら部品を追加してメモリの量を増やしても、システムリソースと呼ばれるコンピューターの動作に必要な領域は増えないという特徴がありました。コンピューターの性能は向上し、使えるメモリの量が増えても、システムリソースは依然として限られた資源のままでした。
これは、当時のオペレーティングシステム(OS)の設計上の制約によるものでした。当時のOSは、システムリソースを管理する仕組みが単純で、限られた範囲しか扱うことができませんでした。そのため、メモリが増えても、システムリソースとして利用できる範囲は変わらず、アプリケーションソフトウェアが利用できる範囲も制限されていました。
しかし、現代のOSでは、メモリ管理の仕組みが大きく進化しています。現代のOSは、仮想メモリと呼ばれる技術を用いることで、物理的なメモリの制限を超えて、広大なメモリ空間をアプリケーションソフトウェアに提供できます。また、システムリソースを動的に割り当てることができるため、アプリケーションソフトウェアが必要とするリソースを効率的に利用できます。そのため、現代のOSでは、システムリソースの不足が問題になることはほとんどありません。
項目 | 昔のパーソナルコンピューター | 現代のパーソナルコンピューター |
---|---|---|
メモリ増加によるシステムリソースへの影響 | 増加しない | 増加する(仮想メモリ) |
OSのメモリ管理 | 単純、限られた範囲のみ管理 | 仮想メモリ、動的割り当て |
システムリソース不足 | 発生しやすい | ほとんど発生しない |
システムリソース不足の兆候
– システムリソース不足の兆候
パソコンは、様々なプログラムを動かすために必要な計算能力や記憶領域といった資源を備えています。これらの資源をシステムリソースと呼びますが、もしもパソコンに要求される作業量に対して、システムリソースが不足してしまうと、様々な問題が発生してしまいます。
システムリソースが不足すると、アプリケーションの起動や終了に時間がかかったり、動作が不安定になったりします。例えば、普段はスムーズに開いていたアプリケーションの起動に時間がかかったり、操作中に動作が重くなったり、画面表示が乱れるといった現象が起こります。また、ファイルの保存や読み込みにも時間がかかったり、エラーメッセージが表示されることもありました。
最悪の場合、パソコンがフリーズしてしまい、操作を受け付けなくなってしまうこともあります。こうなってしまうと、強制的にパソコンの電源を切らざるを得なくなり、作業中のデータが失われてしまう危険性もあります。かつてのパソコンは、今と比べてシステムリソースが限られていたため、このような問題は日常茶飯事でした。
システムリソース不足は、パソコンの動作が遅くなるだけでなく、大切なデータの損失にも繋がる可能性があるため注意が必要です。
状況 | 症状 |
---|---|
システムリソース不足時 |
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最悪の場合 |
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システムリソース不足への対処
昔の計算機は、今と比べて処理能力や記憶容量が限られていました。そのため、計算機の動作が重くなったり、全く動かなくなったりする「システムリソース不足」という問題が頻繁に起こりました。当時の利用者は、このような問題にうまく対処しながら計算機を使っていたのです。
システムリソース不足が起きると、まず、不要な応用ソフトを終了させました。これは、複数の応用ソフトを同時に動かすと、その分だけ処理能力や記憶容量が消費されるためです。次に、常駐ソフトを減らす工夫もしていました。常駐ソフトとは、計算機を立ち上げている間ずっと動作し続けるソフトのことです。このようなソフトは、裏側で常に処理能力や記憶容量を消費しているため、減らすことでシステムリソース不足を解消しようとしたのです。
さらに、当時の利用者は、システムリソースの空き容量を表示する便利なソフトをよく使っていました。このソフトを使うことで、現在のシステムリソースの状態を常に把握することができ、不足しそうな場合には事前に対策を講じることができたのです。
このように、当時の利用者は、限られたシステムリソースをやりくりするために様々な工夫をしていました。そして、これらの工夫によって、計算機を安定して動作させ、仕事を効率的にこなしていたのです。
問題 | 対策 | 説明 |
---|---|---|
システムリソース不足 | 不要な応用ソフトを終了 | 複数のソフトがリソースを消費するため |
システムリソース不足 | 常駐ソフトを減らす | 常駐ソフトは常にリソースを消費するため |
システムリソース不足 | システムリソースの空き容量を表示するソフトを利用 | リソースの状態を把握し、事前に対策が可能 |
現代のパソコンとシステムリソース
– 現代のパソコンとシステムリソース近年のパソコンは性能が大幅に向上し、多くの処理を高速で行えるようになりました。特に、情報を一時的に記憶するメモリは容量が増加し、データの読み書き速度も格段に速くなりました。そのため、かつてパソコン利用の大きな障害となっていたシステムリソース不足に悩まされることは、ほぼなくなりました。少し前のパソコンでは、メモリ容量が限られていました。そのため、アプリケーションを起動する際や、複雑な処理を行う際に、システムリソースと呼ばれる、限られたメモリ領域を効率的にやりくりする必要がありました。もし、多くのアプリケーションを同時に起動したり、メモリを大量に消費する処理を実行したりすると、システムリソースが不足し、動作が不安定になったり、最悪の場合はパソコンがフリーズしてしまうことも珍しくありませんでした。当時のパソコンユーザーは、システムリソースの残量を常に気にしながら作業を行い、不要なアプリケーションをこまめに終了したり、メモリ解放ソフトを使ったりするなど、様々な工夫を凝らしていました。しかし、現代のパソコンでは、このようなメモリ管理に関する知識やテクニックは、ほとんど必要なくなりました。とはいえ、過去のOSにおけるシステムリソースの制約や、それを克服するために開発された技術を知ることは、コンピュータの仕組みをより深く理解する上で依然として重要です。過去の制約と、それを克服するために生まれた技術を知ることで、現代の技術の進化をより実感できるのではないでしょうか。
時代 | パソコンの性能 | システムリソース | ユーザーの対応 |
---|---|---|---|
過去 | メモリ容量が限られていた | 不足しがちで、動作不安定やフリーズの原因に |
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現在 | メモリ容量が増加し、処理速度も向上 | 不足することはほぼなくなった | メモリ管理の知識やテクニックはほぼ不要 |