家電を簡単接続!「アイリンク」とは?
1990年代後半、家庭用ビデオカメラの普及が進み、多くの人が手軽に動画を撮影できるようになりました。しかし、撮影した動画をテレビに映し出すには、画質の劣化や複雑な配線といった課題がありました。
当時の主流であったアナログ接続では、どうしても画質の劣化が避けられず、せっかく撮影した動画も鮮明さに欠けるという問題がありました。また、ビデオデッキとテレビを繋ぐ配線も複雑で、機器の接続に手間取ることも少なくありませんでした。
このような背景の中、映像をより高画質に、そして簡単にテレビに映し出したいというニーズが高まっていきました。
そこでソニーは、高速デジタル転送を可能にするIEEE1394規格に着目しました。この規格を採用することで、高画質のまま動画を転送できるだけでなく、配線もシンプルにすることができると考えたのです。
ソニーはIEEE1394規格に「アイリンク」という親しみやすいブランド名を付け、自社製品だけでなく他社製品への採用も積極的に呼びかけました。その結果、アイリンクは多くの家電製品に搭載され、デジタルビデオカメラとテレビを繋ぐ標準的な規格として広く普及しました。