ASIC:特定用途に特化したIC
- ASICとはASICは、「特定用途向け集積回路」を意味する「Application Specific Integrated Circuit」の略語です。読んで字のごとく、ある特定の用途や機能を実現するためだけに設計・製造される集積回路(IC)のことを指します。私たちが普段使用しているパソコンやスマートフォン、家電製品など、様々な電子機器の中で処理や制御を担う重要な部品であるICは、大きく「汎用IC」と「ASIC」の二つに分類できます。汎用ICは、様々な用途に柔軟に対応できるよう設計されており、多くの機器に共通して使うことができます。一方、ASICは特定の機器や機能に特化して設計されるため、汎用性はありません。しかし、その代わりとして汎用ICと比べて処理速度が高速である点や、消費電力が少ない点、回路の小型化が可能である点など、多くのメリットがあります。例えば、高度な画像処理が必要なデジタルカメラや、高速なデータ通信を行うネットワーク機器など、高い処理能力が求められる機器において、ASICは力を発揮します。また、省電力性が求められるモバイル機器や、小型化が求められるウェアラブル端末などにも、ASICは積極的に採用されています。このように、ASICは特定の用途に合わせて最適化することで、高性能、低消費電力、小型化を実現できるため、様々な分野で活躍が期待されています。