製造現場の進化を支えるカム機構
- カム運動を変換する巧みな機構カムは、回転運動や直線運動を、異なる種類の運動に変換するために用いられる機械要素です。その表面は、求められる運動に合わせて特殊な形状に設計されており、カムに接触する従動節と呼ばれる部品に複雑な動きを生み出すことができます。カムがどのように運動を変換するかというと、回転運動を例に挙げると、カムが回転することで、その表面形状に沿って従動節が上下運動や往復運動に変換されます。このカムの表面形状と従動節の動き方の関係は、カムの設計図面上で明確に定義されます。カムは、その用途の広さから、様々な機械で重要な役割を担っています。例えば、自動車のエンジンでは、カムシャフトと呼ばれる部品に複数のカムが取り付けられており、吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングを制御することで、エンジンの性能に大きく影響を与えています。また、自動織機など、複雑な動きを必要とする機械にもカムは欠かせない存在です。このように、カムは、一見単純な機構でありながら、他の機械要素では実現できない複雑な運動制御を可能にする、非常に重要な機械要素と言えるでしょう。