クアルコム

ネットワーク

CDMA2000:auを支えた通信技術

2000年代初頭、日本は本格的なモバイルインターネット時代を迎えました。その立役者となったのが、第三世代携帯電話、通称3Gです。従来の第二世代携帯電話、いわゆる2Gでは、音声通話や簡単なメールのやり取りが中心でしたが、3Gの登場によって、より高速なデータ通信が可能になりました。 3Gの通信方式の一つであるCDMA2000は、日本国内で広く採用され、人々のコミュニケーションスタイルを大きく変えました。従来の2Gと比べて、格段に速くなった通信速度は、動画や音楽などのリッチコンテンツをストレスなく楽しめる環境を実現しました。 携帯電話は、もはや単なる通話手段ではなく、インターネットやエンターテイメントを楽しむための端末へと進化を遂げたのです。この技術革新は、モバイル業界に革命をもたらし、日本の携帯電話文化をより豊かなものへと導きました。
ソフトウェア

携帯電話を彩る縁の下の力持ち:BREW

- BREWとはBREWは、携帯電話でゲームやアプリケーションを動かすためのソフトウェア実行環境です。2001年にアメリカのクアルコム社が開発し、その技術は同社の登録商標となっています。携帯電話という限られた資源の中で、効率的にアプリケーションを動作させるための基盤として開発されました。BREWが登場する以前、携帯電話で動くアプリケーションは、機種ごとに開発環境が異なっていました。そのため、開発者はそれぞれの機種に合わせてアプリケーションを作る必要があり、開発コストや時間がかかっていました。BREWは、異なる機種間での差異を吸収する役割を担うことで、開発者はBREWに対応した携帯電話であれば、機種を意識することなくアプリケーションを開発できるようになりました。この利便性の高さから、BREWは世界中の携帯電話メーカーや通信事業者に採用され、一時は世界中の携帯電話で広く利用されていました。しかし、その後、スマートフォンが登場し、より高機能なアプリケーションが開発できるiOSやAndroidといった新しいOSが登場したため、BREWは徐々にシェアを失っていきました。現在では、BREWを搭載した携帯電話は少なくなりましたが、BREWは携帯電話アプリケーション開発の先駆けとして、その後のモバイル業界に大きな影響を与えました。特に、限られた資源の中で効率的にアプリケーションを動作させるというBREWの設計思想は、その後のスマートフォン向けOSにも受け継がれています。