デジタル通信

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進化する通信: 統合デジタルサービス通信網

- 統合デジタルサービス通信網とは統合デジタルサービス通信網(ISDN)は、従来の電話回線を使って、音声だけでなく、データもデジタル信号に変換して送受信する技術です。従来のアナログ電話回線と比べて、高速で高品質な通信が可能になるという特徴があります。1980年代後半に登場したISDNは、企業を中心に広く普及しました。 当時は、インターネットはまだ黎明期であり、企業は主に、データ通信やFAXなどの通信手段としてISDNを利用していました。デジタル回線であるISDNは、アナログ回線と比べてノイズの影響を受けにくいため、クリアな音声通話や安定したデータ通信が可能でした。また、複数の回線を同時に利用できるため、音声通話とデータ通信を同時に行うこともできました。しかし、1990年代後半以降、インターネットの爆発的な普及に伴い、より高速な通信技術が求められるようになりました。その結果、光ファイバーを用いた通信技術や、より高速なデジタル加入者線技術が登場し、ISDNは徐々にその役割を終えつつあります。
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OFDM:高速通信を支える技術

- OFDMとは OFDMは、「直交周波数分割多重」の略称で、デジタルデータを送信する際に用いられる変調方式の一つです。 従来の通信方式では、一つの周波数を使ってデータを連続的に送信していました。しかし、この方法では、周波数の利用効率が悪く、高速なデータ通信を行うのが困難でした。 そこで、OFDMでは、送信するデータを複数の搬送波と呼ばれる周波数に分割し、それぞれの搬送波に乗せて同時に送信します。この搬送波は、互いに干渉しないように直交する周波数に設定されているため、複数のデータを同時に送っても混信することなく、受信側で分離することができます。 OFDMは、高速なデータ通信が可能であることに加え、周波数の利用効率が高い、電波の状況に合わせて柔軟に周波数を変更できるなどの利点があります。そのため、地上デジタル放送や携帯電話、無線LANなど、高速かつ安定したデータ通信が求められる様々な分野で広く利用されています。