高速データ共有の立役者:SANとは?
- SANの概要SAN(ストレージエリアネットワーク)は、大規模なデータのやり取りを高速かつ効率的に行うために構築された専用のネットワークです。企業の基幹システムやデータベース、大容量のファイルサーバーなど、大量のデータを扱うシステムにおいて力を発揮します。従来の社内ネットワーク(LAN)では、データ通信が業務用アプリケーションやインターネット接続などと混雑するため、ストレージへのアクセスが遅延し、システム全体の性能低下を招く可能性がありました。SANは、ストレージ専用のネットワークを構築することで、この問題を解決します。サーバーとストレージ間を高速な光ファイバーケーブルなどで接続し、データ通信を他のネットワークから分離することで、高帯域幅と低遅延を実現します。これにより、大量のデータへのアクセスが高速化され、システム全体の性能向上、業務効率の改善に貢献します。また、SANは複数のサーバーからストレージへの同時アクセスを可能にするため、データの共有やバックアップ、障害発生時の復旧なども効率的に行えます。