ドットインパクトプリンター:その仕組みと衰退の理由
- ドットインパクトプリンターとはドットインパクトプリンターとは、その名の通り、点(ドット)を紙に打ち付けて印刷するプリンターのことです。印字の仕組みはタイプライターと似ており、インクをしみ込ませたリボンに、小さなピンが並んだ印字ヘッドを打ち付けることで、紙にドット状にインクを転写します。このピンが並んだ部分を「印字ヘッド」と呼び、プリンターによってピンの数は異なります。一般的に、ピンの数が多いほど、より高精細な印刷が可能となります。ドットインパクトプリンターは、1970年代から1980年代にかけて広く普及しました。当時は、パソコンやワープロ専用機などで広く利用され、現在でも、その耐久性の高さや、複写式の伝票類を発行できるといった特徴から、銀行や病院、運送会社など、様々な場所で利用されています。ドットインパクトプリンターの最大のメリットは、その耐久性の高さです。構造がシンプルで、可動部分が少ないため、故障が少なく、長期間にわたって使用することができます。また、インクジェットプリンターやレーザープリンターのように、インクやトナーが不要なため、ランニングコストを抑えることができます。さらに、複写式の伝票を発行する際に、一度に複数枚印刷できるという利点もあります。一方で、ドットインパクトプリンターは、インクジェットプリンターやレーザープリンターと比較すると、印刷速度が遅く、印刷品質も劣るというデメリットがあります。また、動作音が大きく、カラー印刷に対応していないという点もデメリットとして挙げられます。このように、ドットインパクトプリンターには、メリットとデメリットの両方があります。そのため、導入を検討する際には、用途や目的に合わせて、他のプリンターと比較検討することが重要です。