ニーモニック:機械語を人間にわかりやすく
- 機械語を扱う上での課題
コンピューターは、内部では0と1の羅列で表現される機械語しか理解できません。これは、コンピューターが電子回路で構成されており、電圧の高低や電流の有無といった物理的な状態を0と1に対応させて処理しているためです。しかし、人間にとってこの0と1の羅列は、そのままでは意味を理解することが非常に困難です。
人間がコンピューターを扱うためには、この0と1の羅列を人間にとって理解しやすい形に変換する必要があります。例えば、足し算や引き算といった計算を機械語で記述しようとすると、膨大な量の0と1を組み合わせなければならず、現実的ではありません。さらに、機械語はコンピューターの種類によって異なるため、あるコンピューターのために作成した機械語プログラムを、別の種類のコンピューターで実行することはできません。
これらの課題を解決するために、人間が理解しやすい命令や記号を用いてプログラムを作成し、それを機械語に変換する、様々な技術が開発されてきました。アセンブリ言語や高水準言語といったプログラミング言語は、これらの技術によって生まれたものです。これらの言語によって、人間はコンピューターの動作をより抽象的に捉え、複雑な処理を効率的に記述することが可能になりました。