セキュリティ対策の要! NATとは?
- ネットワークアドレス変換の役割インターネットに接続する際、私たちの知らないところで活躍している技術の一つに「ネットワークアドレス変換」、略してNATがあります。普段何気なく使っている家庭内のネットワークを例に考えてみましょう。 家の中にはパソコンやスマートフォン、タブレットなど、インターネットに接続する機器がたくさんありますね。これらの機器は、それぞれ「私の機器はこちらです!」と識別してもらうための、固有のIPアドレスという番号を持っています。しかし、これらの機器がインターネットという広大な世界に飛び出すためには、世界中でたった一つだけの特別な番号、「グローバルIPアドレス」が必要になります。もし、家庭内の機器全てにグローバルIPアドレスを割り当てるとしたら…膨大な数の番号が必要となり、現実的ではありません。そこで活躍するのが「NAT」です。 NATは、家庭内のネットワークとインターネットの境目に設置されたルーターなどの機器に搭載されています。このNATが、複数の機器からのアクセスを一つのグローバルIPアドレスに集約してくれるのです。NATは、いわばインターネットへの出入り口にあたる「受付」のような役割を果たします。 家庭内からインターネットへのアクセスは、全てNATを経由して行われます。NATは、どの機器からのアクセスなのかを記録しておき、インターネットからの返信は、記録に基づいて正しい機器に届けてくれます。このように、NATは限られた数のグローバルIPアドレスを有効活用し、複数の機器を安全かつ効率的にインターネットに接続することを可能にしているのです。