フルハイビジョンとは?
かつて、映像の世界に新たな時代を築き上げた「高画質」の象徴、それがフルハイビジョンでした。お茶の間のテレビが、まるで現実の世界を切り取ったかのような、きめ細やかで鮮明な映像を映し出す。それは当時の私たちにとって、驚きと感動をもたらす出来事でした。家電量販店のテレビコーナーに足を運べば、どのメーカーもこぞって「フルハイビジョン対応」を大々的にアピールし、その言葉は、高画質テレビを選ぶ上での絶対的な基準となっていました。
フルハイビジョン以前のテレビは、画面を構成する画素数が少なく、どうしても映像がぼやけてしまったり、細部が潰れてしまったりするのが課題でした。しかし、フルハイビジョンは、従来のテレビと比べて圧倒的に多くの画素数を持つことで、これらの課題を解決しました。風景の奥行きや人物の表情、衣装の細かな模様まで、これまで見えなかったものが見えるようになる。スポーツ中継を見れば、選手の汗の一粒一粒、芝生の揺れまでがリアルに感じられる。フルハイビジョンは、お茶の間にいながらにして、まるでその場にいるかのような臨場感を体験させてくれる夢の技術だったのです。