FORTRAN: 科学技術計算の立て役者
- FORTRANの誕生
1956年、IBM社から画期的なプログラミング言語が世に送り出されました。その名はFORTRAN。「数式翻訳(Formula Translation)」の名が示す通り、当時としては革新的な概念である「人間が理解しやすい数式表現を用いたプログラミング」を実現したのです。
それまでのプログラミング言語といえば、機械語に近い低級言語が主流でした。コンピュータの内部構造に精通した人でなければ理解が難しく、開発の効率性も低いものでした。
FORTRANの登場は、そんな状況を一変させます。数学者や科学者にとって馴染み深い数式を用いることで、専門知識を持つ人が直接プログラムを記述することが可能になりました。これは、プログラム開発の門戸を大きく広げ、科学技術計算の分野に革命をもたらしたのです。
FORTRANは、その後のプログラミング言語の発展にも多大な影響を与えました。特に、科学技術計算の分野では、現在でも広く利用されています。