ペルチェ素子:小さな巨人、その仕組みと働き
- ペルチェ素子とはペルチェ素子とは、電気を流すことで片面が冷え、反対側の面が温かくなるという不思議な性質を持つ半導体素子です。 冷蔵庫やエアコンのようにフロンガスなどの冷媒を使わずに、電流だけで温度を変化させることができるため、環境に優しい冷却・加熱方法として注目されています。では、どのようにして温度変化が起こるのでしょうか? ペルチェ素子は、電気を通しやすい性質の異なる2種類の金属を接合して作られています。この素子に電気を流すと、片方の金属からもう片方の金属へ熱が移動するという現象が起こります。 これは「ペルチェ効果」と呼ばれる現象で、この熱の移動によって片面は冷却され、反対側の面は発熱するのです。ペルチェ素子は、従来の冷却・加熱方法と比べて、小型で静音性に優れているという利点があります。そのため、小型冷蔵庫やワインセラー、コンピューターのCPU冷却装置など、様々な分野で活用されています。また、近年では、医療分野やバイオテクノロジー分野など、精密な温度管理が求められる分野でも注目されています。