マルチプロセッシング

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複数処理能力で処理を高速化:マルチプロセッサとは

コンピューターの処理速度を向上させる技術の一つに、複数の処理装置を用いる方法があります。 これは、一台のコンピューターに複数の演算処理装置を搭載することで、複数の処理を同時に行えるようにする技術です。 この技術を例えるなら、一人で複数の仕事をこなすよりも、複数人で分担して仕事をした方が早く終わるのと似ています。 例えば、大きな家の掃除を一人でやるよりも、複数人で分担して行った方が、はるかに短い時間で終わらせることができます。 複数の演算処理装置を搭載したコンピューターは、この「分担作業」を処理の世界で行うことで、一台のコンピューターの中に複数の「頭脳」を持たせるのと同じような効果を生み出しているのです。 このように、複数の処理を同時に行うことで、コンピューター全体の処理能力を大幅に向上させることができます。 そのため、複雑な計算や大規模なデータ処理など、高い処理能力が求められる場面で、この技術は特に効果を発揮します。 例えば、最新の気象予報や複雑な科学技術計算、映画に使われるようなリアルなコンピューターグラフィックスの作成など、私たちの生活の様々な場面で、この技術は活用されています。
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実は同じ?デュアルプロセッサーとデュアルコアプロセッサー

パソコンやスマホの広告で「デュアルプロセッサー搭載」や「デュアルコアプロセッサー搭載」といった言葉を目にする機会が増えましたね。どちらも「デュアル」という言葉が使われていますが、実は全く異なるものを指していることをご存知ですか? 「デュアルプロセッサー」とは、文字通りプロセッサーを2つ搭載していることを意味します。プロセッサーはコンピューターの頭脳にあたる部分で、2つ搭載することで処理能力を向上させることができます。イメージとしては、2人の人が同時に作業をすることで、1人で行うよりも多くの仕事をこなせるようなものです。 一方、「デュアルコアプロセッサー」は、1つのプロセッサーの中に処理を行う中核部分である「コア」を2つ搭載していることを指します。2つのコアが協力して処理を行うことで、1つのコアを搭載するプロセッサーよりも効率的に処理を進めることができます。これは、1人の人が2つの作業を同時進行するようなイメージです。 どちらも処理能力の向上を目的としていますが、「デュアルプロセッサー」は2つのプロセッサーを搭載するのに対し、「デュアルコアプロセッサー」は1つのプロセッサーの中に2つのコアを搭載している点が異なります。そのため、「デュアル」という言葉に惑わされず、どのような仕組で処理能力が向上しているのかを確認することが大切です。
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複数コアで処理を高速化!対称型マルチプロセッシングとは?

- 対称型マルチプロセッシングの概要対称型マルチプロセッシング(SMP)は、一つのコンピュータシステムに複数の中央処理装置(CPU)またはコアを搭載し、処理能力を大幅に向上させる技術です。従来のシングルコアシステムでは、CPUは一つの処理を順番にこなし、他の処理は順番待ちの状態でした。そのため、処理が集中するとシステム全体の速度が低下するという問題点がありました。SMPでは、複数のコアがそれぞれ独立して処理を実行できるため、複数の処理を同時に並行処理できます。これは、複数の作業員が同時に分担して作業を行うようなイメージです。各コアはオペレーティングシステムから割り当てられた処理を実行し、それぞれの処理結果を共有することで、全体として効率的に作業を進めることができます。この並行処理により、システム全体の処理能力が向上し、アプリケーションの応答速度が向上します。特に、複数の処理を同時に行う必要がある動画編集や科学技術計算などの複雑な処理に効果を発揮します。しかし、SMPは万能ではありません。プログラムによっては、処理を並行化できない場合や、並行化によって逆に効率が低下する場合もあります。そのため、SMPのメリットを最大限に活かすためには、プログラムの設計段階から並列処理を考慮することが重要となります。
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非対称型マルチプロセッシング:並列処理の進化

- 非対称型マルチプロセッシングとは複数の処理装置を搭載したコンピュータでは、複数の処理を同時並行で実行することで処理能力の向上を図ることができます。これをマルチプロセッシングと呼びますが、処理装置の役割分担の仕方によって、いくつかの種類に分けられます。その中の一つに、非対称型マルチプロセッシング(ASMP)があります。従来型のマルチプロセッシングとして、対称型マルチプロセッシング(SMP)と呼ばれる方式がありました。SMPでは、搭載されているすべての処理装置は対等な関係にあり、どの処理装置もあらゆる処理を実行することができました。これは、汎用性が高いという利点がある反面、処理内容によっては効率が低下する可能性もありました。ASMPは、SMPとは異なり、それぞれの処理装置に特定の役割を割り当てる方式です。例えば、ある処理装置はOS(オペレーティングシステム)の処理に専念させ、別の処理装置はアプリケーションの実行に特化させるといった具合です。このように、処理内容に応じて処理装置の役割を固定することで、処理の効率化を図り、システム全体のパフォーマンス向上を目指します。ASMPは、処理装置ごとに役割が明確化されているため、システムの設計や開発が複雑になる可能性があります。しかし、役割分担による処理の効率化や、特定の処理装置に負荷が集中することを防ぐ効果などが期待できます。そのため、近年では、スマートフォンや組み込みシステムなど、限られた資源で高い性能が求められる分野において、ASMPを採用するケースが増えています。