共通鍵暗号方式

セキュリティ

進化した暗号規格:AES

- 安全なデータ保護の要 現代社会は、ありとあらゆる情報がデジタル化され、インターネットを通じて瞬時に世界中に行き渡る時代です。企業活動や日々の生活に欠かせないものとなった一方で、デジタルデータの安全性をいかに確保するかが、重要な課題となっています。もしも顧客情報や企業秘密、個人のプライバシーに関わる情報などが、漏洩したり不正にアクセスされたりすれば、取り返しのつかない損害や混乱を招きかねません。 こうした事態を防ぐために、様々なセキュリティ対策が講じられていますが、その中でも特に重要な役割を担う技術の一つが「暗号化」です。暗号化とは、データを特別な規則に従って変換し、許可された者だけが復元できるようにする技術です。その変換に用いられる規則を「暗号鍵」と呼び、この鍵を持つ者だけが暗号化されたデータを読み解くことができます。 数ある暗号化方式の中でも、現在広く普及し、高い信頼性を誇るのが「AES」と呼ばれる方式です。AESは、米国政府が採用している標準暗号化方式でもあり、その堅牢性は世界中で認められています。 AESは、データを安全に保護するための強力な武器となります。私たち一人ひとりが、デジタルデータの重要性を認識し、AESなどの暗号化技術を適切に利用することで、安全で安心できるデジタル社会を実現していくことが求められます。
セキュリティ

かつての標準暗号 DES

- DESとはDESは、「データ暗号化規格」を意味するData Encryption Standardの略称です。1977年に、アメリカ合衆国で公的な標準規格を決めている組織の一つである国立標準技術研究所(NIST)によって制定されました。制定以降、長い間、世界中でデータの機密性を守るための標準規格として広く利用されてきました。 DESは、「共通鍵暗号方式」と呼ばれる方式を採用しています。これは、データの暗号化と復号に同じ鍵を使う暗号方式です。この共通鍵を秘密鍵と呼ぶこともあります。DESでは、56ビットの鍵長で運用されます。これは、鍵として使用できるパターンが2の56乗通り存在することを意味します。 DESは、ブロック暗号と呼ばれるタイプの暗号アルゴリズムの一つです。ブロック暗号は、データを一定のブロック単位(DESの場合は64ビット)に分割し、それぞれのブロックに対して暗号化処理を行います。 しかし、コンピュータ技術の進歩により、DESの鍵長である56ビットでは、総当たり攻撃などによって比較的短い時間で解読される可能性が指摘されるようになりました。そのため、現在ではより安全性の高い「トリプルDES」や「AES」といった暗号方式に移行しつつあります。トリプルDESは、DESを3回繰り返すことで安全性を高めた方式です。AESは、DESの後継規格として制定された、より高度な暗号方式です。