固定小数点形式とは?
- 固定小数点形式の概要
コンピュータの世界では、あらゆるデータは0と1の組み合わせで表現されます。これは数値データも例外ではなく、普段私たちが使っているような小数を含む数値をそのままの形で扱うことはできません。そこで、コンピュータ内部で小数を含む数値を扱う方法として、浮動小数点形式と固定小数点形式の二つが用いられます。
固定小数点形式は、その名の通り小数点の位置をあらかじめ決めておくことで、整数と同じように数値を表現する方法です。例えば、小数点以下2桁まで表現する場合、「12345」というデータは「123.45」を表すことになります。この方法の利点は、計算が単純で処理速度が速いという点です。一方で、表現できる数値の範囲が狭く、大きな数値や非常に小さな数値を扱うことができないという欠点も持ち合わせています。
固定小数点形式は、主に処理速度が求められる組み込みシステムや、小数点以下の桁数が決まっている金融システムなどで利用されています。しかし、近年ではコンピュータの処理能力が向上していることから、より広範囲の数値を扱える浮動小数点形式が主流になりつつあります。