多元接続

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時分割多元接続:通信を支える技術

- 時分割多元接続とは 時分割多元接続(TDMA)は、限られた電波の通り道を利用して、複数の人が同時にやり取りをするための技術です。 電波の通り道を時間的に短い区間に区切り、それぞれの区間を決められた人に順番に割り当てます。この短い区間のことを「スロット」と呼びます。 各利用者は、自分に割り当てられたスロットの時間内だけデータを送ったり受けたりすることができます。 これは、大人数のグループで一つの会議室を使う場合に似ています。会議室を時間帯で区切り、それぞれのグループに順番に割り当てます。それぞれのグループは、自分たちに割り当てられた時間帯だけ会議室を使って発表などを行います。 もし、全員が同時に話すと、何がなんだか分からなくなってしまいます。しかし、時間帯を区切ることで、全員が自分の順番に落ち着いて発表することができるようになります。 TDMAも同じように、複数の利用者が限られた電波の通り道を奪い合うことなく、順番に通信することを可能にします。 このように、TDMAは限られた資源を有効活用するための、とても賢い仕組みなのです。
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周波数分割多元接続で変わる通信環境

- 周波数分割多元接続とは 複数の利用者が同時に無線通信を行うことを可能にする技術は、多元接続方式と呼ばれ、その中でも代表的な方式の一つに周波数分割多元接続(FDMA)があります。 この技術は、限られた電波資源を効率的に活用するために考案されました。 イメージとしては、道路を複数の車線に分けて、それぞれの車線を特定の車だけが通行できるようにするのと似ています。FDMAでは、利用可能な周波数帯域全体を、複数の小さな周波数帯域に分割します。そして、それぞれの利用者に対して、割り当てられた狭い周波数帯域内でのみ通信を許可します。 各利用者は、自分に割り当てられた周波数帯域だけを使ってデータを送受信するため、他の利用者の通信と混信することなく、同時にデータを送受信することができます。これは、まるでそれぞれ別の道路を走る車が、互いに影響を受けることなく目的地まで走行できるのと同じです。 FDMAは、技術的にシンプルで実装が容易であるため、初期の携帯電話システムなど広く利用されてきました。しかし、利用者数が増加すると、一人当たりの利用できる周波数帯域が狭くなり、通信速度が低下するという課題もあります。そのため、近年では、より高度な多元接続方式である時分割多元接続 (TDMA) や符号分割多元接続 (CDMA) なども開発され、利用されています。