実行環境

プログラミング

ネイティブプログラム:高速動作の鍵

- ネイティブプログラムとはコンピュータは、人間が日常的に使う言葉とは全く異なる言語で動いています。 このコンピュータ専用の言葉は「機械語」と呼ばれ、数字の羅列によって構成されています。 人間にはこの数字の羅列を理解することは困難ですが、コンピュータはこの機械語しか理解できません。そこで登場するのが「プログラム」です。プログラムは、人間がコンピュータに実行させたい処理を、コンピュータにも理解できる言葉で記述した指示書のようなものです。そして、このプログラムの中でも、機械語を使って直接記述されたものを「ネイティブプログラム」と呼びます。ネイティブプログラムは、コンピュータが直接理解できる機械語で書かれているため、他のプログラムに比べて実行速度が非常に速いというメリットがあります。 例えば、処理に時間のかかる複雑な計算や、大量のデータを扱うシステムなどでは、この処理速度の速さが大きな強みとなります。しかし、ネイティブプログラムの開発には、機械語に関する専門的な知識が必要となり、習得が容易ではありません。 また、 機械語はコンピュータの種類によって異なるため、特定の種類のコンピュータでしか動作しないプログラムになってしまうという側面もあります。このように、ネイティブプログラムはメリットとデメリットを併せ持つため、開発する際には、これらの点を考慮する必要があります。
プログラミング

JITコンパイラ:プログラム実行の加速装置

- JITコンパイラとは JITコンパイラは、プログラムをより速く実行するための技術です。「Just-In-Time」の略で、日本語では「実行時コンパイル」と訳されます。 従来のコンパイラは、プログラムを実行する前に、ソースコード全体を機械語に変換していました。この作業は時間がかかるため、プログラムの実行開始までに時間がかかっていました。 一方で、JITコンパイラは、プログラムの実行中に、必要な部分だけを機械語に変換します。 プログラムの実行中には、同じ処理が何度も繰り返されることがあります。JITコンパイラは、これらの繰り返し処理を検出し、機械語に変換することで、処理速度を向上させます。一度機械語に変換された処理は、次回以降の実行時には高速に処理されます。 このように、JITコンパイラは、プログラムの実行開始までの時間を短縮し、処理速度を向上させることができるため、現代のプログラミング言語において重要な技術となっています。
ソフトウェア

携帯電話を彩る縁の下の力持ち:BREW

- BREWとはBREWは、携帯電話でゲームやアプリケーションを動かすためのソフトウェア実行環境です。2001年にアメリカのクアルコム社が開発し、その技術は同社の登録商標となっています。携帯電話という限られた資源の中で、効率的にアプリケーションを動作させるための基盤として開発されました。BREWが登場する以前、携帯電話で動くアプリケーションは、機種ごとに開発環境が異なっていました。そのため、開発者はそれぞれの機種に合わせてアプリケーションを作る必要があり、開発コストや時間がかかっていました。BREWは、異なる機種間での差異を吸収する役割を担うことで、開発者はBREWに対応した携帯電話であれば、機種を意識することなくアプリケーションを開発できるようになりました。この利便性の高さから、BREWは世界中の携帯電話メーカーや通信事業者に採用され、一時は世界中の携帯電話で広く利用されていました。しかし、その後、スマートフォンが登場し、より高機能なアプリケーションが開発できるiOSやAndroidといった新しいOSが登場したため、BREWは徐々にシェアを失っていきました。現在では、BREWを搭載した携帯電話は少なくなりましたが、BREWは携帯電話アプリケーション開発の先駆けとして、その後のモバイル業界に大きな影響を与えました。特に、限られた資源の中で効率的にアプリケーションを動作させるというBREWの設計思想は、その後のスマートフォン向けOSにも受け継がれています。