富士フイルム

記憶装置

懐かしのxDピクチャーカードとは?

2000年代に入ると、それまで一部の愛好家や専門家の間で使用されていたデジタルカメラが、画質の向上や価格の低下などにより、一般の人々にも急速に普及し始めました。それに伴い、撮影した画像データを保存するための記録メディアも、コンパクトフラッシュやスマートメディアなど、様々な規格のものが登場し、市場はまさに乱立状態となっていました。 そうした中、2002年7月にオリンパスと富士フイルムの2社から、全く新しい規格のメモリーカードとしてxDピクチャーカードが発表されました。xDピクチャーカードは、それまでのメモリーカードと比べて小型軽量であることが最大の特長でした。従来のコンパクトフラッシュが、縦4.3センチ、横3.6センチ、厚さ5.5ミリだったのに対し、xDピクチャーカードは、縦2.0センチ、横2.5センチ、厚さ0.8ミリしかありませんでした。このサイズの小ささは、デジタルカメラの小型化・軽量化に大きく貢献しました。 また、xDピクチャーカードは、データの読み書き速度が速いことも大きなメリットでした。当時のデジタルカメラは、画素数の増加に伴い、画像データの容量が大きくなってきており、データの読み書きに時間がかかってしまうことが課題となっていました。xDピクチャーカードは、高速なデータ転送速度に対応しており、撮影後の画像の保存やパソコンへの転送をスムーズに行うことができました。 xDピクチャーカードは、その後、オリンパスや富士フイルム製のデジタルカメラを中心に普及しましたが、SDカードの台頭などにより、2010年には生産を終了しました。しかし、xDピクチャーカードは、デジタルカメラの進化に一定の役割を果たしたメモリーカードと言えるでしょう。