広く普及した事実上の標準
- 事実上の標準とは
技術の世界では、様々な製品やサービスが乱立することがあります。その中で、特定の技術や仕様が、公式な機関によって認められたわけでもないのに、広く普及し、多くの人に使われることがあります。これが、「事実上の標準」と呼ばれるものです。
例えば、以前はビデオテープの規格として、ベータ方式とVHS方式がありました。ベータ方式の方が画質が優れているという意見もありましたが、VHS方式の方が普及し、ビデオレンタル店などでもVHS方式のビデオが主流となりました。結果として、VHS方式がビデオテープの事実上の標準となりました。
このように、事実上の標準は、必ずしも技術的に優れているとは限りません。使いやすさや価格、普及率など、様々な要因が絡み合って決まります。
事実上の標準が決まると、関連する製品やサービスもその標準に合わせるようになるため、利用者にとって互換性が高まり、便利になるというメリットがあります。一方で、一度標準が決まってしまうと、他の技術や仕様が市場に参入しにくくなるという側面もあります。