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広く普及した事実上の標準

- 事実上の標準とは 技術の世界では、様々な製品やサービスが乱立することがあります。その中で、特定の技術や仕様が、公式な機関によって認められたわけでもないのに、広く普及し、多くの人に使われることがあります。これが、「事実上の標準」と呼ばれるものです。 例えば、以前はビデオテープの規格として、ベータ方式とVHS方式がありました。ベータ方式の方が画質が優れているという意見もありましたが、VHS方式の方が普及し、ビデオレンタル店などでもVHS方式のビデオが主流となりました。結果として、VHS方式がビデオテープの事実上の標準となりました。 このように、事実上の標準は、必ずしも技術的に優れているとは限りません。使いやすさや価格、普及率など、様々な要因が絡み合って決まります。 事実上の標準が決まると、関連する製品やサービスもその標準に合わせるようになるため、利用者にとって互換性が高まり、便利になるというメリットがあります。一方で、一度標準が決まってしまうと、他の技術や仕様が市場に参入しにくくなるという側面もあります。
その他

世界最大の技術専門組織:米国電気電子学会

- 米国電気電子学会とは米国電気電子学会(IEEE)は、電気や電子といった分野を始めとして、コンピュータや情報通信など、幅広い先端技術の分野に関わる世界最大規模の専門家組織です。1963年に設立され、その長い歴史の中で技術革新の中心を担ってきました。現在では、世界160を超える国々に支部を持ち、40万人を超える専門家たちが会員として名を連ねています。IEEEは、技術の進歩と、その技術を通じて社会に貢献することを活動の目的としています。その目的を達成するために、IEEEは多岐にわたる活動を行っています。中でも主要な活動として、世界中で広く使われる技術の標準規格を定めることや、専門家による最新の研究成果をまとめた論文誌を発行することなどが挙げられます。加えて、世界各地で専門家が集まり議論を交わす学会やワークショップなども開催しており、技術の進歩と普及に大きく貢献しています。
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ガラパゴス携帯電話:進化の道筋

- ガラパゴス携帯電話とはかつて日本国内で爆発的に普及した携帯電話は、ガラパゴス携帯電話と呼ばれ、その独自の進化を遂げた様は、多くの人々に親しまれてきました。まるで、ガラパゴス諸島に生息する動植物が独自の進化を遂げたように、世界の携帯電話とは異なる進化を遂げたことから、この名前が付けられました。当時の海外の携帯電話は、通話やメールを主体としたシンプルなものが主流でした。一方、日本の携帯電話は、メーカー各社が競うようにして、次々と新しい機能を開発し、搭載していきました。その結果、カメラ、ワンセグ、おサイフケータイなど、当時の世界の携帯電話にはなかった機能が搭載され、日常生活に欠かせない存在へと変化していきました。特に、高画質な写真や動画が撮影できるカメラ機能は、携帯電話をコミュニケーションツールからエンターテイメントツールへと進化させました。また、テレビ番組を視聴できるワンセグ機能は、いつでもどこでも情報を得たいというニーズに応え、人々の生活スタイルに大きな変化をもたらしました。さらに、電車に乗車したり、お店で買い物をしたりする際に、携帯電話をかざすだけで支払いができるおサイフケータイ機能は、利便性を飛躍的に向上させました。このように、日本の携帯電話は、国内のユーザーニーズに合わせて、独自の進化を遂げてきました。ガラパゴス携帯電話は、日本の携帯電話文化を象徴する存在と言えるでしょう。