2G: モバイル通信の礎を築いた技術
1990年代に入ると、それまで使われていた第一世代携帯電話に代わり、全く新しい技術を搭載した携帯電話が登場しました。それが第二世代携帯電話、いわゆる「2G」です。この第二世代携帯電話最大の特徴は、それまでのアナログ方式からデジタル方式へ移行したことです。
アナログ方式は、音声データをそのまま電波に乗せて送受信するため、どうしても電波状況に左右されやすく、音質の劣化や雑音の混入が避けられませんでした。しかし、デジタル方式では音声をデジタルデータに変換してから送受信するため、電波の影響を受けにくく、クリアな音声で通話が可能になりました。
このデジタル化により、第二世代携帯電話は通話品質が飛躍的に向上しただけでなく、ショートメッセージサービス(SMS)といった新しいサービスも提供開始されました。これは、従来の音声通話だけでなく、携帯電話を使って文字メッセージの送受信を可能にした画期的なサービスで、多くの人が手軽にコミュニケーションを楽しむ手段として急速に普及しました。
このように、第二世代携帯電話はデジタル方式への移行を契機に、通話品質の向上と新たなサービスの提供を実現し、携帯電話をより便利で身近なものへと進化させました。この進化は、その後登場する第三世代、第四世代へと続く携帯電話の進化の礎となりました。