浮動小数点

CPU

縁の下の力持ち、FPUとは

コンピュータは、情報を0と1の二つの記号で表現しています。この0と1の並びは、ビット列と呼ばれ、数字や文字など様々な情報を表すことができます。私たちが普段使用している数字は、十進数と呼ばれる10を基数とする数体系ですが、コンピュータ内部では二進数と呼ばれる2を基数とする数体系が用いられています。 コンピュータ内部では、整数は二進数で正確に表現することができます。例えば、十進数の7は、二進数では111と表現されます。しかし、小数点を含む数値を二進数で正確に表現することは、必ずしもできません。これは、小数点以下の部分が無限に続く場合があるためです。例えば、十進数の0.1は、二進数では0.0001100110011...と無限に続く循環小数となり、有限の桁数で正確に表現することができません。 このような小数点を含む数値を、コンピュータで扱う場合は、浮動小数点方式と呼ばれる方法が用いられます。これは、数値を符号、指数部、仮数部の三つの部分に分けて表現する方式です。符号部は、数値の正負を表し、指数部は小数点の位置を表し、仮数部は数値の有効数字を表します。浮動小数点方式を用いることで、小数点を含む数値を一定の精度で表現することができます。 しかし、浮動小数点方式を用いた計算では、計算の過程で誤差が生じることがあります。これは、コンピュータ内部で扱える桁数が有限であるために、丸め誤差が発生するためです。そのため、小数点を含む数値を扱うプログラムを作成する際には、これらの誤差を考慮する必要があります。
プログラミング

固定小数点型:整数だけで小数を扱う

- 固定小数点型とは コンピュータの世界では、数値は主に整数として扱われますが、給与計算やセンサーデータの処理など、小数を扱う必要がある場面も少なくありません。このような場合に利用されるのが、固定小数点型というデータ表現方法です。 固定小数点型は、その名の通り小数点の位置をあらかじめ固定して数値を表現します。例えば、小数点以下2桁まで表現する場合、"12345"という数値は"123.45"と解釈されます。 固定小数点型は、小数を扱うための別の方法である浮動小数点型と比べて、処理が単純で高速であるという利点があります。そのため、家電製品や組み込みシステムなど、処理能力が限られる環境で使用されることが多いです。 しかし、固定小数点型は表現できる数値の範囲が狭いため、大きな数値や非常に小さい数値を扱う場合は、浮動小数点型の方が適しています。 固定小数点型は、状況に応じて使い分けることで、プログラムの処理速度やメモリ使用量を最適化できる場合があります。
プログラミング

固定小数点:コンピュータにおける数の表現方法

- はじめにと題して コンピュータの世界では、数値はなくてはならない存在です。数値は様々な情報を表すために用いられますが、その表現方法は一つではありません。コンピュータ内部では、数値は「0」と「1」の組み合わせで表現されており、この表現方法の違いによって、整数型や浮動小数点型といったデータ型に分類されます。 整数型は、その名の通り整数を表すのに適したデータ型です。例えば、プログラムの中で人数や個数など、端数のない値を扱う場合には整数型が選ばれます。一方、浮動小数点型は、実数を表すのに適したデータ型です。気温や身長、円周率など、小数点以下の値を含む値を扱う場合には、浮動小数点型が用いられます。 これらの代表的なデータ型に加えて、特定の用途で利点を持つのが固定小数点型です。固定小数点型は、整数型と浮動小数点型の中間的な存在といえます。固定小数点型は、小数点の位置を固定して数値を表現します。このため、浮動小数点型のように計算のたびに小数点の位置を調整する必要がなくなり、処理の高速化が期待できます。 本稿では、この固定小数点型について、その特徴やメリット、デメリット、具体的な用途などを詳しく解説していきます。固定小数点型は、近年注目を集めている組み込みシステムや、処理速度が求められるゲーム開発など、様々な分野で活躍が期待されています。