今も現役?AT互換機について解説
- AT互換機とは?1980年代から1990年代にかけて、パーソナルコンピュータが広く普及した時代がありました。その影には「AT互換機」と呼ばれるコンピュータの存在がありました。「AT互換機」は「IBM PC/AT互換機」を省略した名称で、当時世界的に大きなシェアを誇っていたIBM社の「IBM PC/AT」という機種の構造を参考に作られました。IBM PC/ATは、それまでのパーソナルコンピュータと比べて処理速度が速く、より多くのデータを取り扱うことができたため、業務用としても広く使われていました。しかし、その当時のコンピュータは非常に高価で、一般の人々が気軽に買えるものではありませんでした。そこに登場したのが、IBM PC/ATの構造を真似て作られた「AT互換機」です。多くのメーカーがAT互換機を製造販売したことで、価格競争が起き、パーソナルコンピュータの価格が大きく下がりました。その結果、企業だけでなく、一般家庭にもパーソナルコンピュータが普及していくことになったのです。AT互換機は、基本的な構造が同じであったため、異なるメーカーの製品であっても、接続やデータのやり取りがスムーズに行えました。これが、ソフトウェア開発を促進し、様々な種類のソフトが開発される土壌となりました。そして、多くのソフトが利用できるようになったことで、AT互換機はさらに多くの人々に受け入れられていきました。このように、AT互換機は、その後のパーソナルコンピュータの普及に大きな影響を与え、現代の情報化社会の礎を築いたと言えるでしょう。