PowerPC:アップルを支えたCPU
- PowerPCとはPowerPCは、1990年代にアップル、IBM、モトローラの3社が共同で開発した、マイクロプロセッサの設計図のようなものです。この設計図に基づいて作られた実際の処理装置は、パソコンやゲーム機など、様々な機器で利用されました。PowerPCの特徴は、RISCと呼ばれる設計思想に基づいている点にあります。RISCは、従来のCISCと呼ばれる設計思想に比べて、マイクロプロセッサが理解できる命令の種類を少なくすることで、処理の高速化を目指したものです。例えるなら、多くの仕事をこなせるけれど、1つ1つの仕事に時間がかかる職人よりも、限られた種類の仕事しかできない代わりに、それぞれの仕事を素早くこなせる職人のようなイメージです。PowerPCは、当時主流であったCISCアーキテクチャを採用したマイクロプロセッサと比較して、高速な処理性能を期待されていました。実際に、PowerPCはアップル製のMacintoshなどに搭載され、その性能の高さが評価されました。しかし、その後、パソコンの世界ではCISCアーキテクチャを採用したマイクロプロセッサが主流となり、PowerPCは徐々にその姿を消していきました。それでも、PowerPCは、ゲーム機や組み込みシステムなど、様々な分野で利用され続けています。