ハイビジョン:高精細度テレビジョン放送
日本のテレビ放送は、かつてはアナログ方式でしたが、より美しい映像を求める声が高まり、1980年代から高精細度テレビジョン、すなわちハイビジョンの研究が始まりました。ハイビジョンは、従来のテレビの画面を構成する走査線の数を大幅に増やすことで、よりきめ細かい映像を表示できるようにした画期的な技術でした。
1990年代に入ると、デジタル技術の進歩により、ハイビジョン放送の実用化に向けた動きが加速しました。そして、1990年代後半からデジタルハイビジョン放送が開始され、お茶の間に美しい映像が届けられるようになりました。
ハイビジョンは、従来のテレビに比べて、5倍以上の画素数を持つため、まるでその場にいるかのような臨場感を楽しむことができます。スポーツ中継では、選手の細かい動きや表情まで鮮明に映し出され、ドラマや映画では、登場人物の感情がより豊かに伝わってきます。また、自然の風景や美術作品なども、細部まで忠実に再現されるため、感動もひとしおです。
ハイビジョン放送の開始は、日本のテレビ史における大きな転換点となり、人々の映像体験を大きく変えました。