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処理速度の鍵!縮小命令セットコンピューターとは?

私たちが日常的に使う言葉は、コンピューターには理解できません。コンピューターは、「0」と「1」の組み合わせで表現される機械語しか理解できないからです。そこで、人間が作成したプログラムをコンピューターで実行するためには、プログラムを機械語に翻訳する必要があります。 この翻訳作業を担うのが「命令セット」です。命令セットは、コンピューターが理解できる基本的な命令の集まりのようなものです。 命令セットは、コンピューターの性能を左右する重要な要素です。例えば、複雑な計算を一度に実行できる命令セットを持つコンピューターは、単純な命令しか処理できないコンピューターよりも高速に処理を行うことができます。 また、命令セットは、コンピューターの省電力性にも影響を与えます。効率的な命令セットは、少ない命令で多くの処理を実行できるため、消費電力を抑えることができます。 このように、命令セットは、コンピューターの動作を支える基盤技術と言えるでしょう。
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CISC:複雑な命令でコンピュータを動かす技術

- CISCとは コンピュータの中枢を担うマイクロプロセッサ。 その設計思想の一つにCISC(複雑命令セットコンピュータ)があります。 マイクロプロセッサは、プログラムに記述された命令を一つずつ実行することで、様々な処理を行います。 CISCは、一つの命令を複雑にすることで、一度に多くの処理を実行できるように設計された方式です。 例えば、データの移動、計算、結果の保存など、通常は複数の命令を必要とする処理を、CISCでは一つの命令にまとめて実行することが可能です。 このように、CISCは複雑な処理を少ない命令数で実現できるため、プログラムのサイズを小さく抑えられます。 しかし、一つの命令が複雑になるため、命令の実行に時間がかかるという側面もあります。 対して、RISC(縮小命令セットコンピュータ)は、一つの命令を単純化することで高速化を実現した設計思想です。 現在主流となっているのはRISCですが、CISCも特定の用途でその特徴を生かして利用されています。
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計算機の心臓部:複合命令セットコンピューター

- 命令セットとは コンピューターは、人間が日常的に使う言葉(自然言語)をそのまま理解することはできません。 人間がコンピューターに何か仕事をさせたいときには、コンピューターが理解できる言葉で指示を出す必要があります。この、コンピューターが直接理解できる言葉のことを「機械語」と言います。 機械語は、「0」と「1」の数字の組み合わせで表現されます。この数字の羅列は、人間にとっては非常に理解しにくいものですが、コンピューターにとっては意味を持つ命令文として解釈されます。 「命令セット」とは、コンピューターに用意された機械語の命令の集まりのことを指します。 人間がキーボードやマウスを使って入力した指示は、最終的にこの命令セットを使ってコンピューターに実行されます。 コンピューターの設計思想の違いによって、命令セットには大きく分けて二つの種類があります。一つは「複合命令セット」と呼ばれるもので、これは比較的少ない数の命令で複雑な処理を一度に行うように設計されています。もう一つは「縮小命令セット」と呼ばれ、こちらは簡単な処理を行う命令を多数用意し、それらを組み合わせて複雑な処理を実現します。
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ARM:省電力マイクロプロセッサの巨人

- ARMの正体 ARMは、イギリスに本社を置く企業です。しかし、家電製品に使われているような、完成されたマイクロプロセッサを製造・販売している会社ではありません。ARMの主な事業は、マイクロプロセッサの設計図面を作ることであり、その設計図面を他の企業にライセンスとして提供することです。 例えるなら、ARMは住宅の設計図面を描く建築設計事務所のようなものです。実際に家を建てるのは、設計図面を基に施工する建設会社であり、ARM自身は家を建てません。 ARMが設計したマイクロプロセッサは、その電力効率の良さから、スマートフォンやタブレットなど、バッテリーで駆動する機器で多く採用されています。 ARM自身はマイクロプロセッサを製造していないため、Apple、Samsung、Qualcommなど、多くの企業がARMの設計図面を基にマイクロプロセッサを製造しています。このように、ARMは縁の下の力持ちとして、現代のモバイル社会を支えていると言えるでしょう。
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処理速度向上のためのシンプルな設計思想:RISCとは

コンピューターの頭脳であるマイクロプロセッサには、処理速度の向上や効率的な動作を実現するために、様々な設計思想が採用されています。その中でも、特に重要な設計思想として、RISCとCISCという二つの大きな流れが存在します。 RISCは、「縮小命令セットコンピュータ」の略称であり、コンピュータへの命令の種類を減らし、命令を単純化することで高速な処理を実現することを目指した設計思想です。命令の種類が少ないため、命令の解釈や実行に必要な回路が簡素化され、高速に処理を実行することができます。また、命令の実行時間が短縮されることで、プログラム全体の実行速度の向上も期待できます。 CISCは、「複合命令セットコンピュータ」の略称であり、RISCとは対照的に、一つの命令がより複雑な処理を実行できるように設計されています。これにより、プログラム全体に必要な命令数を減らし、プログラムのサイズを小さくすることができます。しかし、複雑な命令を解釈し実行するためには、複雑な回路が必要となり、処理速度が遅くなる可能性があります。 このように、RISCとCISCはそれぞれ異なる特徴を持つ設計思想であり、どちらが良いか一概に断言することはできません。用途や目的に応じて、適切な設計思想が選択されています。
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PowerPC:アップルを支えたCPU

- PowerPCとはPowerPCは、1990年代にアップル、IBM、モトローラの3社が共同で開発した、マイクロプロセッサの設計図のようなものです。この設計図に基づいて作られた実際の処理装置は、パソコンやゲーム機など、様々な機器で利用されました。PowerPCの特徴は、RISCと呼ばれる設計思想に基づいている点にあります。RISCは、従来のCISCと呼ばれる設計思想に比べて、マイクロプロセッサが理解できる命令の種類を少なくすることで、処理の高速化を目指したものです。例えるなら、多くの仕事をこなせるけれど、1つ1つの仕事に時間がかかる職人よりも、限られた種類の仕事しかできない代わりに、それぞれの仕事を素早くこなせる職人のようなイメージです。PowerPCは、当時主流であったCISCアーキテクチャを採用したマイクロプロセッサと比較して、高速な処理性能を期待されていました。実際に、PowerPCはアップル製のMacintoshなどに搭載され、その性能の高さが評価されました。しかし、その後、パソコンの世界ではCISCアーキテクチャを採用したマイクロプロセッサが主流となり、PowerPCは徐々にその姿を消していきました。それでも、PowerPCは、ゲーム機や組み込みシステムなど、様々な分野で利用され続けています。
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SPARC: ワークステーションを支えたCPUアーキテクチャ

1985年、情報技術の世界に革新をもたらす画期的な技術が登場しました。それは、サン・マイクロシステムズ社が開発した「SPARC」というマイクロプロセッサです。マイクロプロセッサとは、コンピュータの頭脳として様々な計算や処理を行う、非常に重要な部品です。 当時、マイクロプロセッサの主流はCISCという複雑な命令セットを持つタイプでした。しかし、サン・マイクロシステムズ社は、SPARCにRISCという全く新しい設計思想を採用しました。RISCは、命令セットを簡素化することで、マイクロプロセッサの処理速度を大幅に向上させることを目指したのです。 この革新的な設計により、SPARCは従来のマイクロプロセッサと比べて圧倒的な処理速度を実現し、コンピュータ業界に衝撃を与えました。そして、SPARCの登場は、その後のコンピュータの設計思想に大きな影響を与え、より高速で高性能なコンピュータの開発を促進する原動力となりました。