時代を築いたメモリ規格SIMMとは
- SIMMの概要SIMMは、Single Inline Memory Moduleの略称で、1980年代から1990年代半ばにかけて、コンピューターの主記憶装置の容量増加のために広く活用されたメモリモジュールの規格です。SIMMが登場する以前は、記憶装置として用いる半導体素子を電子回路基板に直接はんだ付けする必要があり、利用者がコンピューターの記憶容量を増やすことは容易ではありませんでした。しかし、SIMMの登場により、利用者は自身の手で容易に記憶容量を増やすことができるようになり、パーソナルコンピューターの大容量化、高速化に大きく貢献しました。SIMMは、基板の片面にのみ電気的な接点を持つ形状をしており、これをコンピューターの電子回路基板に設けられた専用の接続部に差し込むことで、記憶装置として機能します。SIMMの登場により、従来の手法に比べて作業の簡素化、低コスト化などが実現しました。しかし、1990年代後半に入ると、SIMMよりもさらに高速なデータのやり取りを可能とするDIMM(Dual Inline Memory Module)が登場し、SIMMは次第に利用されなくなっていきました。