WindowsNT

1990年代初頭、マイクロソフトは、一般ユーザー向けのパソコン用OS「Windows」で大きな成功を収めていました。しかし、業務用のコンピュータ市場、特にサーバーと呼ばれる重要な役割を持つコンピュータが動く市場では、UNIX系のOSが主流の座に君臨していました。 当時、多くの企業がサーバー機にUNIX系のOSを採用しており、マイクロソフトのOSは業務用としてはあまり普及していませんでした。そこでマイクロソフトは、業務用コンピュータ市場、特に重要なサーバー市場でのシェア獲得を目指し、全く新しいOSの開発に乗り出しました。それが「Windows NT」です。 Windows NTは、これまでのWindowsとは全く異なる設計思想に基づいて開発されました。業務用コンピュータに求められる安定性、信頼性、セキュリティを重視し、さらに、様々な種類のハードウェアに対応できる柔軟性も備えていました。 1993年に初めて発売されたWindows NTは、当初はあまり注目されませんでした。しかし、バージョンアップを重ねるごとに安定性や機能が向上し、徐々に企業や組織で採用されるようになっていきました。そして、Windows NTの技術は、その後のWindowsの基盤となり、現在に至るまで広く利用されています。